
但馬牛(たじまうし)と言うのは、兵庫県産の黒毛和種の和牛の事を指します。
現在の但馬牛の99.9%は、兵庫県美方郡香美町小代区で生まれ育った名牛の田尻号の子孫であると言われています。
この但馬牛の牛肉は肉質が非常に良い為、三重県の松阪牛や滋賀県の近江牛と言ったブランド牛の素牛となっています。
岩手県の前沢牛、宮城県の仙台牛、岐阜県の飛騨牛、佐賀県の佐賀牛等のブランド牛においても、但馬牛の血統を入れる事で品種改良が行われる事も少なくありません。
但馬牛の血統においても、規定されて条件を満たすものが兵庫県産但馬牛(たじまうし)と定義づけられ、その牛肉の中で、AランクかBランクの格付けを満たす牛肉が兵庫県産(但馬牛)、但馬牛、但馬ビーフ、TAJIMA BEEFと表記して販売する事が認められています。
さらに、兵庫県産(但馬牛)の中で、未経産牛の雌と去勢雄牛、 脂肪交雑のBMS値No.6以上、等級がAまたはB、枝肉重量が雌の場合では230~470kg、雄の場合には260~470kgと言う更に厳しい条件を満たす牛肉が神戸ビーフ、神戸肉、神戸牛、KOBE BEEFと表記して販売する事が認められています。
すなわち、兵庫県産但馬牛の中で特に肉質の良いものが、いわゆる神戸牛として流通してるとも言えます。
そもそも牛肉の美味しさを感じるポイントとは、まず牛肉の中にうま味の主成分であるグルタミン酸やイノシン酸が豊富に含まれている事、そして味以外に肉のなめらかな食感や柔らかさ、そして脂肪が重要な役割を果たしている香り等の要素が組み合わさって感じるものです。
但馬牛やその中でも厳選された神戸牛が美味しい秘密は、何百年もの歴史のある但馬牛は他の和牛とは一切交配させず、但馬牛同士で交配する事で肉質の良い血統を創り出した事により、上記の美味しい牛肉の資質を磨き続けて来た事にあるのです。
その事は、前述したように、松阪牛や近江牛の素牛が但馬牛である事や、各地のブランド牛の肉質を上げるために、但馬牛との交配を行っている点でも明確と言えます。
この資質の優れた但馬牛が、安全で良質な飼料によって肥育され、霜降り肉を生み出しているのです。
筋肉の中に小ザシの脂肪が、散在した美しい肉質となっているのです。熱を加えたり、舌の上で 体温により、そのサシが溶けて筋肉のもつ味と、脂肪の香りが微妙に溶け合う事で、特有の旨味となっているのです。
近年では、赤身の熟成肉等も人気を高めていますが、ステーキ、焼き肉、すき焼き、しゃぶしゃぶと言った様々な肉料理には、やはり霜降り肉に勝るものはありません。
日本のブランド牛の85%が但馬牛の血統を引いているとも言われ、この素晴らしい肉質を持った但馬牛や神戸牛を楽しんでもらいたいものです。
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